環境省認定名水百選とは

環境省の名水百選は厚生省などが行っている“うまい水”の推進と異なり「良好な水環境と継承」に重点が置かれており、判定条件としては、①水質、水量、周辺環境（景観）、親水性からみて保全状況が良好なこと。②地域住民による保全活動があること、となっています。

●名水百選認定年月日：昭和６０年７月２２日
●名称　磐梯西山麓湧水群
（主な湧水群）①龍ヶ沢清水②大清水③法正尻清水
●沿革
磐梯ゴールドラインの表玄関、名峰磐梯山の西麓にあり、この山につらなる猫魔、廐獄、古城ヶ峰の山々を背に猪苗代湖に向かってひらける。標高500ｍの高原の町、磐梯町は町内随所に豊富な湧水や史跡が点在し、なかでも龍ヶ沢湧水、大清水、猿楽沼清水等が知られ、町民に親しまれている。その一つ、龍ヶ沢湧水は国の指定を受けている。“恵日寺”戒壇の北500ｍの所にあり、古代から太平洋戦争直後まで度々雨乞が行われており、特に江戸時代には会津藩の命により、大規模な雨乞が行われ、その際に本尊となった「龍像権現」像や龍の落し子にまつわる文書が残っている。国重要美術品等認定物件「絹本著色恵日寺絵図」（室町初期）に「龍像権現」として鳥居と社が描かれており、元禄二年作成の恵日寺絵図には「龍ヶ沢二間半、龍石三間幅、六尺四方、龍像権現社二本、龍像権現旧跡四十六本」と記され、同様な内容文章が新編会津風土記にも見ることができる。このような龍ヶ沢湧水に関する資料等は大切に現在まで伝えられている。過去何回となく襲った大干ばつにも湧出する水量に変化がなく、直径４ｍ、深さ30cm程の少池を現在も満たし続けており、本寺区の灌漑用水と小中野区の飲料水等に利用されている。この池の傍らには、空海作といわれる歌を明治44年河野広中謹写による碑文が立てられている。
（参考資料　福島県磐梯町　「磐梯西山麓湧水群」資料より）